KiraNeiro

ヘルプ

KiraNeiro は、動画編集ソフトを使わずに、音楽・イラスト・文章・声を組み合わせた「軽量な動くコンテンツ」をブラウザだけで作り、公開できる無料の Web アプリです。このページでは、できること・基本的な使い方・仕組み・つまずきやすいポイントをまとめて説明します。

KiraNeiro とは

動画編集ソフトを学ぶコストなしで、音楽・絵・文章・声を「動くコンテンツ」にして届けるためのツールです。

解決する問題

楽曲・イラスト・文章・ナレーションといった表現したいコンテンツを持つクリエイターが、それを動画化するためだけに本格的な動画編集ソフトを新たに学ぶ時間・費用・学習コストを払えない、という課題があります。既存の動画編集ツールは「動画ファイル」を前提とした重い作りで、個人クリエイターが日常的に扱うには障壁が高いものでした。KiraNeiro はこの障壁を取り除き、ブラウザを開くだけで着手できる軽量な制作環境を提供します。

作れるコンテンツ種別

種別内容主な利用者
MV(ミュージックビデオ)楽曲に合わせてイラスト・歌詞を動かすシンガーソングライター、ボカロP、イラストレーター
解説動画ナレーション音声に図解・テキストを同期させる教育系・解説系クリエイター
ショートストーリー文章・朗読音声とイラストを組み合わせた短編小説家・朗読クリエイター
読み上げ動画朗読音声にテキスト表示を同期作家・オーディオブック系クリエイター
絵本複数ページのイラスト・テキスト・音声を1本にまとめる絵本作家・コミッククリエイター
ボイス付き写真写真1枚と音声1本を組み合わせた最小構成のコンテンツ思い出投稿・一般ユーザー

設計思想(他の動画編集ソフトとの違い)

サーバーフリー設計(著作権・プライバシーへの配慮)

KiraNeiro は「再生エンジン(ビューワー)」のみを提供するサービスであり、ユーザーがブラウザに読み込んだ音声・画像・テキストなどの素材ファイルを KiraNeiro のサーバーへ送信・保存することは一切ありません(すべてブラウザ内の処理で完結します)。制作したコンテンツはユーザー自身のローカルストレージ、またはユーザー自身が管理するクラウドストレージ(GitHub 等)に保存します。そのため、コンテンツの著作権・公開範囲の管理責任はユーザー自身にあります。

料金

完全無料・機能制限なしで利用できます(カンパ方式)。動画の書き出しが完了した画面で、カンパ・SNS拡散による応援を任意で選べますが、これらは強制されず、制作の途中で表示されることもありません。

対応環境

エディタ(制作画面)

  • Windows の Edge 対応(メイン対象環境)
  • Android の Chrome 対応(メイン対象環境。タッチ操作向けUIあり)
  • iPad の Safari 対応(メイン対象環境。タッチ操作向けUIあり)
  • 上記以外(Windows/Mac/ChromeOS の Chrome、Mac の Edge、iPhone Safari、macOS Safari、Firefox など) 動作するが未検証

メイン対象環境として Windows + Edge、Android + Chrome、iPad + Safari の3環境で動作確認を行っています。それ以外のブラウザ・OSの組み合わせは、動作を妨げる作りにはなっていない(明示的にブロックしていない)ものの、正式な動作検証は行っていません。「非対応と確認済み」ではなく「動作検証を行っていない」状態とご理解ください。

ビューワー(再生のみ)

公開後にコンテンツを再生するだけのビューワーページは、Chrome・Edge・Firefox・Safari を含む主要ブラウザ(デスクトップ・モバイル問わず)で動作します。再生には制作側のような特殊な API を必要としないため、視聴者側の環境を選びません。

はじめかた(プロジェクト作成)

トップページの「エディタを開く」からプロジェクト作成画面に入り、作りたいコンテンツの種類を選ぶところから始まります。

作成できるプロジェクト種別

種別ウィザードの流れ
歌詞MV楽曲(音声)を追加 → キャラクター・背景イラストを追加 → 歌詞テキストを入力し、行ごとのタイミングを設定
絵本ページ数を指定 → ナレーション音声(任意)を追加すると、音声の長さに応じて各ページの表示時間が自動で按分される → 各ページに背景イラスト・テキストを追加
ボイス付き写真写真1枚を追加(キャンバス全体を覆う背景として配置) → 音声1本を追加(アップロードまたはその場でのマイク収録) → 音声の長さがそのままコンテンツの再生時間になる、最もシンプルな作成フロー

いずれのウィザードもステップ表示・案内文に従って進めるガイダンス形式になっており、動画編集の知識がなくても迷わず完成まで到達できるように設計されています。ウィザードを完了すると、通常のタイムラインエディタ画面に移動し、そこから自由に編集を続けられます。ウィザードを使わず、空のプロジェクトから自分で組み立てることも可能です。

投稿先プラットフォームに合わせたキャンバスサイズ

プロジェクト作成時(またはあとからいつでも)、投稿予定のプラットフォームを選ぶだけでキャンバスの縦横比が自動設定されます。

プラットフォームサイズアスペクト比
YouTube / ニコニコ動画 / Bilibili1920×108016:9(横長)
TikTok1080×19209:16(縦長)
YouTube Shorts1080×19209:16(縦長)
Instagram Reels / Stories1080×19209:16(縦長)
Spotify Canvas1080×19209:16(縦長)
X1080×10801:1(正方形)
Instagram フィード(1:1)1080×10801:1(正方形)
Instagram フィード(4:5)1080×13504:5(縦長)
カスタム任意任意のサイズを指定

素材の追加

画像・音声・テキストの3種類の素材をタイムラインに追加してコンテンツを組み立てます。

対応フォーマット

動画ファイルからの音声抽出

MP4(Android の画面録画など)や MOV(iOS の画面録画など)の動画ファイルを追加すると、映像部分は使用せず音声トラックだけが自動抽出され、通常の音声素材(BGM やメイン音声)として取り込まれます。動画編集ソフトで映像を切り出す必要はありません。PC ではドラッグ&ドロップで追加でき、スマートフォンではファイルピッカー(ファイル選択ダイアログ)から選んで追加します。

マイクでの音声収録

メイン音声トラック(伴奏・オケ)をブラウザ上で再生しながら、同時にマイクで歌声やナレーションを収録できます。対応可否はブラウザの録音機能(MediaRecorder API)を自動判定し、対応していない環境では収録の入り口自体が表示されません。Chrome・Edge・Firefox に加えて、Safari(iOS / macOS)も MP4 形式での収録に対応しています。収録した音声は、追加した他の音声素材と同じように以降のトラック配置・タイミング調整の対象になります。収録した音声もサーバーフリー設計の対象で、KiraNeiro のサーバーにはアップロードされません。

タイムラインエディタの基本操作

画面下部のタイムラインで、複数のトラック(画像・テキスト・音声)を時間軸に沿って配置・調整します。

基本操作

キーフレームの自動記録

「キーフレームを追加」のような明示的なボタン操作は不要です。キャンバス上のオブジェクトをドラッグして移動・拡大縮小・回転させると、その時点のタイムライン位置に自動でキーフレームが記録されます。キーフレーム間の動きはベジェ曲線で補間され、緩やかに始まって緩やかに終わる(イーズイン・イーズアウト)動きも選べます。オブジェクトごとにループ再生(指定区間を繰り返す)の設定も可能です。

アピアランス編集(キャンバス操作)

画面中央のキャンバス上でオブジェクトを直接操作し、見た目(位置・拡大縮小・透明度・画像・エフェクト)を時間の経過とともに変化させられます。

オブジェクトの選択・操作

キャンバス上のオブジェクトをクリックして選択し、ドラッグで移動・ハンドルで拡大縮小・回転できます。複数オブジェクトを同時選択して、まとめて移動・スケール変更することも可能です。

プリセットアニメーション

オブジェクトの登場・退場に、ワンクリックで適用できる定型アニメーション(バウンス登場、回転しながら登場、スライドインなど)が用意されています。適用すると位置・スケール・回転・不透明度に複数のキーフレームが自動生成され、その後は手動で個別に調整することもできます。

差し絵切り替え

同一のキャラクターオブジェクトに対して、時刻ごとに表示する画像ファイルを切り替えられます。表情差分や口パクのような表現を、1つのオブジェクトの中で複数枚の画像を時系列に並べるだけで実現できます。

透明度・スケールのアニメーション

オブジェクトごとに透明度・拡大縮小を時系列で変化させられます(フェードイン・フェードアウトなど)。キャンバスの背景色・背景画像も自由に設定できます。

画像エフェクト

画像オブジェクトに、ぼかし・セピア・モノクロ・色調補正などの視覚エフェクトをプリセットから選んで適用できます。プリセットを選ぶとパラメータが自動設定され、そこから個別に微調整することも可能です。処理が重くなりやすいエフェクトは、安価な PC(Chromebook 等)でも快適に動作するようオンオフを切り替えられます。

テキスト・歌詞編集

歌詞・字幕・ナレーションは「段落・行」を1つのブロックとして扱い、ブロック単位で表示タイミングを調整します。

ブロック単位のタイミング調整

歌詞1行、あるいは文章の1段落を1つのタイミングスロットとして扱い、それぞれの表示開始・終了タイミングを個別に調整できます。音楽再生中に歌詞がタイミング通りに表示されるかをプレビューで確認しながら微調整できます。テキストブロックはタイムライン上で本体をドラッグして時間軸上の位置を移動できますが、左右の端をドラッグしてブロック幅だけを伸縮することはできません(ブロックの幅はテキスト内容とタイミングによって決まる仕様です)。行を追加・削除するとタイミングスロットの対応関係が変わるため、内容を編集した後はタイミングパネルで確認することをおすすめします。

フォント・装飾

フォント・文字色・サイズを自由に設定できるほか、フェードイン・フェードアウトのアニメーションも付けられます。グラデーション塗り・影・輪郭を組み合わせた装飾的な文字スタイルも設定可能で、フォント設定ダイアログの「ランダム」機能を使うと装飾内容も含めてランダムに提案されます。

音声加工

ノイズ除去

メイン音声トラックに対して、収録時に入り込んだ環境ノイズを低減するフィルタを適用できます。

サウンドエフェクト

リバーブなどのサウンドエフェクトをメイン音声トラックに適用できます。プレビュー・書き出し・公開後の再生のすべてで同じ効果が反映されます。安価な PC でも快適に動作するよう、重い処理はオンオフを切り替えられます。

保存と作業フォルダ

オートセーブ → 作業フォルダ(内部)

KiraNeiro は編集内容をブラウザ内の作業フォルダ(Origin Private File System)に自動保存し続けます。エクスプローラーや Finder からは見えない領域です。

Ctrl+S → .kneiro ファイル

Ctrl+S(または「ファイル → 名前を付けて保存」)で、好きな場所に .kneiro ファイルとして書き出します。これが持ち運び・共有できるプロジェクトファイルです。オートセーブはこのファイルを更新しません。他のデバイスで続きから編集したい場合や、バックアップを残したい場合は、このファイルとして明示的に保存してください。

出力形式の使い分け

名前を付けて保存(.kneiro)— プロジェクトファイル

再編集のためにプロジェクト全体を保存します。KiraNeiro で再度開いて続きから作業できます。

動画を出力(MP4)

対応環境では WebCodecs API を使って MP4 に書き出します(最大 1920×1080、書き出し制限なし)。WebCodecs が使えない環境(Firefox・一部の Safari など、iOS Safari も含む)では、自動的に MediaRecorder API による書き出し(MP4 または WebM)にフォールバックするため、iOS でも動画出力自体は可能です。WebCodecs・MediaRecorder のいずれも利用できない環境では書き出し非対応のエラーになります。YouTube・TikTok などへの投稿に使う完成ファイルです。

HTML 共有 — 外部接続型iOS では非対応

ファイルサイズが小さい。再生エンジンは実行時に kiraneiro.chronovis-software.com から読み込むため、インターネット接続が必要です。エンジンの更新は自動で反映されます。iOS Safari ではローカル HTML ファイルを実行可能な形で開く手段がないため、この出力形式自体がメニューに表示されません。

HTML 共有 — 自己完結型iOS では非対応

ファイルサイズが大きめ(約 256 KB+プロジェクトデータ)。再生エンジンが完全に内包されているため、オフラインで再生でき、サーバーの状況に左右されません。外部接続型と同様の理由で iOS Safari では非対応です。

公開・共有

KiraNeiro は「再生エンジン」のみをホストし、コンテンツ自体の保存・登録は行いません。公開・共有の方法は、ユーザー自身が管理するストレージ上のファイルを指す URL をシェアする方法と、書き出したファイルそのものをチャットアプリ等で直接送って相手のブラウザでローカルに開いてもらう方法の2通りがあります。

URL 共有

ユーザー自身のストレージ(GitHub 等)に JSON+アセットを保存し、https://kiraneiro.app/view?src={コンテンツURL} の形式の URL をそのまま SNS に貼るだけで再生ページとして機能します。OGP(リンクカード表示)は意図的に用意しておらず、クリエイターが自分でビジュアルと文章を添えて投稿することを想定しています。

ファイル共有

URL を用意せず、書き出したファイル(.kneiro や HTML 共有ファイル)そのものをチャットアプリ・メール・USBメモリなどで直接渡す方法もあります。受け取った相手は KiraNeiro のビューワー画面でファイルを選択するだけでローカルに再生できます。この方法ではファイルをどこにも公開せずに、特定の相手とだけ共有できます。

埋め込み(iframe)

<iframe src="https://kiraneiro.app/embed?src={コンテンツURL}"> の形式で、自分の Web サイトに再生エンジンだけを埋め込めます。/embed はコントロールバーのみのミニマルな見た目になります。

ストレージの CORS 制約

ビューワーは指定された URL から直接コンテンツを取得するため、保存先のクラウドストレージが CORS(クロスオリジンリクエスト)を許可している必要があります。GitHub(GitHub Pages・raw ファイル配信)は対応していますが、Google Drive や Dropbox の共有リンクは CORS 制約により利用できない場合があります。

PWA インストール

KiraNeiro はアプリとしてインストールできます(PWA: Progressive Web App)。

モーション収録

ライブモーションポイントの収録方法

録画ボタンをONにした状態で再生を開始します。再生中にキャンバス上のオブジェクトをドラッグすると、その動きがリアルタイムで記録されます。手作業で1点ずつキーフレームを打つより素早く、音楽に合わせた自然な動きを収録できます。

収録確定ダイアログ — 3つのモード

録画を止めると確定ダイアログが表示されます。

  • そのまま — 記録した軌跡をそのまま保持
  • 直線 — 軌跡を直線セグメントに単純化
  • 滑らか — 記録点をなめらかな曲線に近似

歌詞・散文の表示タイミングを収録モードで変更する

収録モードを使うと、歌詞・散文ブロックの各行が表示される瞬間を録り直せます。録画ボタンをONにして再生し、各行を表示させたいタイミングで「次へ」ボタンをクリック(またはタップ)すると、タイミングがリアルタイムで更新されます。歌詞を目で追いながらリズムに合わせてタイミングを打っていく感覚で、手動でのタイムコード入力より直感的に調整できます。

既知の制約・トラブルシューティング

BGM が配置できない理由

KiraNeiro はオーディオファイルの実効再生時間が配置スロット(次の BGM アイテム開始位置まで、末尾アイテムはタイムライン終端まで)に収まるかを確認します。ファイルの再生時間が配置スロットより長い場合、配置が拒否されます。

対処法:より短いオーディオファイルを使用するか、BGM の開始位置を調整してスロットを広げてください。

「再生時間を更新」はいつ表示される?

プロジェクト内のすべてのオブジェクトに終点が設定されており、終点の最大値がプロジェクト終了時間と一致しない場合、ファイルメニューに「再生時間を更新」が表示されます。クリックすると、最も遠いオブジェクトの終点にプロジェクト終了時間が合わせて更新されます。オブジェクトを延長した後にプロジェクト時間を調整し忘れた場合によく起こります。

対応していない機能(意図的にスコープ外としているもの)

  • 複数人によるリアルタイム同時編集
  • AI による自動アニメーション生成(自分の絵を自分で動かす設計を優先しているため)
  • 音声合成・ボーカル生成機能
  • コメント・いいね等のコミュニティ機能、作品ギャラリー
  • YouTube・ニコニコ動画等への直接アップロード連携
  • OCR や自動での歌詞タイミング生成(タイミングは手動調整が基本)
  • 画像の背景透明化機能

対応ブラウザ・環境については「対応環境」セクションを参照してください。